ダイハツ・フェローマックス・ハードトップ(L38型-1971年)

日本車-ダイハツ

ダイハツ・フェローマックス・ハードトップ(L38型-1971年)_01
ダイハツ・フェローマックス・ハードトップ(前期型)
(Daihatsu Fellow-max Hardtop-L38型-1971年)
軽自動車が360ccだった頃の後期には、軽に豪華な装備や、走りを追求したモデルが続々と登場した。
結果的に、その豪華主義への移行が当時の軽自動車ブームに終わりを告げることになるのだが。
そんな時代のスペシャリティ軽、フェローマックス・ハードトップをご紹介します。


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ダイハツの軽乗用車、フェローがモデルチェンジし、フェローの上級進化を意味する、フェローマックス(Fellow-Max)が登場した。その頃、軽の各メーカーは、共に、豪華さ、華やかさ、速さを求め、当時のスペシャリティの象徴でもあった「ハードトップ」ボディが、360ccにも与えられた。
ロングノーズ・ショートデッキスタイルのフェローマックスは、90年代のカプチーノ、2000年代のコペンとも云えよう。
最も個人的には、80年代の軽量スポーツ、CR-Xが最も近い気がするのだが。
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すっきりとした後姿。
360ccのサイズでクーペボディだから、後ろの座席の居住性は相当犠牲になっていると思われる。
一見、リヤエンジンにも見えるが、フェローマックスはフロントエンジン・フロントドライブ(FF)だ。
この個体は、オーナーさんのカスタマイズにより、80年代のロードバイク、ホンダNSR250Rのサイレンサーが、さりげなく着いている。
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【スペック】
車両形式:ダイハツ L38型
エンジン形式:ZM型 横置型 分離給油式2サイクル 水冷式並列2気筒 356cc
最大出力:33HP
駆動方式:FF
乗車定員:4名
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アリゲーター式に開くボンネットを開けると、鼻先に低く横置きマウントされたZM型エンジンが現れる。
この個体は、シングルキャブレター式のようだ。
写真左上の白いプラスチックの入れ物は分離式の2サイクルオイルタンクだろう。
360cc軽自動車の初期は、まだまだ混合給油(あらかじめ、ガソリンと2サイクルオイルを混ぜたものを給油する)方式が、主流であったが、オイルマチックや分離式などと呼ばれる、オイルとガソリンをキャブレターで自動的に混合してくれる方式に変わっていった。
そして、ロングノーズボディの秘密が明らかになる。
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エンジンルームは、ボンネット面積の前半分のみ。
後半は、いわゆるバルクヘッドが延びてきている。これは、乗車室内の足元部分が、ここまで延びてきているのである。
こうやって、ロングノーズ・ショートデッキのスタイルを実現しているのである。
写真右上のスペースには、スペアタイヤが載る様になっている。
当時の360cc軽自動車には、エンジンルームにスペアタイヤを載せるレイアウトがよく見られた。
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ZMの刻印がされたエンジン。
ZM型は、50年の排ガス規制をクリアしているらしく、規制そのものもまだ甘かったのだろうが、2サイクルエンジンが規制に通る時代があったのだと云うことが解る。
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軽自動車とは思えないほど豪華なインストゥルメントパネルを持つ運転席。
ステアリングは、モモのベローチェレーシングにカスタマイズされているが、それが違和感が無いほどに、スポーティなデザインだ。
3眼式のメーターパネル、木目の枠、そして左側が運転席に向いているあたりにも拘りが見える。
シフトレバーは、当時のカスタムパーツと思われる。
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3眼メーターの内訳は、時計、燃料計、水温計、そしてスピードメーターである。
右端のヘッドライトスイッチも「眼」風に大きな丸枠の中に納まる。眼数が多いほど、スポーティーで高級だった時代の工夫であろう。
注目していただきたいのは、ステアリング左下にあるウォッシャーポンプ。ゴム製なのだが、これを手でパフパフさせると、ウオッシャー液が出ると云う、当時ならではのアイテムである。
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変わってこちらは、リアエンドだが、テールランプがくの字型のをしていて凝った創りとなっている。
クーペ型のルーフ形状は、本格的なもので、綺麗な曲線を描く。
そして、これも当時ならではのアイテムなのが、「併せホイール」。
中央のフィンが着いた部分は、ブレーキドラム本体とハブで、ホイールは、その周りにネジ止めしてある部分を指す。
つまりブレーキドラムがホイールの一部として機能しているのだ。
360cc時代の軽には、よく見られたホイールで、その後の時代のようにアルミホイールでドレスアップ、なんてカスタマイズは出来なかったため、ホイールキャップと呼ばれたホイールカバーでカスタマイズするのが主流であった。
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【こぼれ話】
この個体は、友人が購入した別の360ccを引き取りに行った際に取材させていただきました。
各部によく手入れが行き届いており、ここぞと云うところでカスタマイズもセンスがよかった印象があります。
実際の動力性能は、360ccなのでいかほどでもないだろうが、2サイクルエンジンをおもいっきりブン回して、小柄なクーペをちょこまか走らせると云うのは、是非味わってみたいものである。
こちらで、L38型フェローマックス・ハードトップの後期型もご紹介しています。

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