ミツビシ・ジープ(J34型 – 1974年)

日本車-三菱

ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_01ミツビシ・ジープ
(MITSUBISHI JEEP – J34型 – 1974年)
頑丈で、悪路でも雪道でも安全に走れて、メンテナンスがしやすく、人や荷物もたくさん運べる。
自動車を道具として見たとき、理想的な自動車のひとつにあてはまるのは、ジープでは無かろうか。
ここでは、三菱が、長きに渡って製造したジープの中から、デリバリーワゴンのJ34型をご紹介します。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_02ジープのボディ形状は、数多くあるが、このJ34型は、「デリバリーワゴン」と云う種類になるらしい。
マルーンと、ベージュの2色のカラーリングも、純正である。
前から見ると、ジープそのものだが、後姿は、このように観音開き(両開きの意味)タイプのドアが装着されている。
箱型のロングボディは、人も荷物も十分に搭載可能で、6人の大人と、400kgまでの荷物を載せることが出来る。
デリバーリーワゴン型は、一時期、山岳地を含む地方の公用車としても、多く使われていたようだ。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_03ジープの魅力のひとつは、なんと云ってもメンテナンス性が良い。
分厚い鉄板製のボンネットの開口角度は、90度を超えて、屋根の先端に当たるまで開く。
さらに、両側のフェンダーも分厚く頑丈なので、フェンダーに乗ってメンテナンスが可能である。
また、ボンネットには、余分なダンパーやつっかえ棒も無く、ヒンジのみである。
いわば、随所に自動車の究極の合理性を求めた一例と云えるだろう。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_05【スペック】
車両型式:三菱 J34型
エンジン:KE47型 水冷式4気筒 OHV 2,315cc シングルキャブレター式
最大出力:95ps/4,500rpm
最大トルク:17.5kgm/2,800rpm
使用燃料:レギュラーガソリン
変速機:コラム式3速マニュアル
駆動方式:4WD
三菱ジープは、元は米国ウイリスオーバーランド社の四輪駆動車、ジープ(Jeep)を、ノックダウン生産したことに始まり、その後ライセンス生産に切り替わったそうだ。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_04
質実剛健を、画に描いたような、いかにも頑丈そうなパーツの数々。
特にラジエータは、まるで金庫のドアのようだ。
マスターバック付きのブレーキマスターも、半端じゃなく大きい。
しかしながら、KE47エンジンは、ヘッドにはアルミが使われていたそうだ。
さらに、どれもがシンプルに構成されていることが、ジープの魅力のひとつ。
どんな過酷な条件下でも、ちゃんとメンテナンス出来て、走破するために設計されている。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_06
ごついが、平らな運転席ドアを開けると、クラシカルなイメージの室内が見える。
国鉄の電車のような、シンプルだが分厚いベンチシートや、ドア内張りには、以外にも赤茶色と云う派手目な生地が使われている。
インストゥルメントパネルも、鉄板ではなく、ちゃんとプラスチック製のものが装着されていて、ここら辺は、民生用のジープならではの装備だろう。尚、ハンドルはトラック並みに大きく、パワーアシストは無い。


ミツビシ・ジープ(J34型 - 1974年)_07
計器類は、スピードメーターと、水温計と、燃料計、それにB、O、Cと書かれたワーニングランプと、方向指示器のランプのみで、トリップメーターや、時計すら着いていない。
デザインは、60年代頃の国産車の流れを汲む。


【こぼれ話】
この三菱ジープは、以前、友人が所有していた個体を取材させていただきました。
程好いヤレ具合の個体でしたが、外板に目立った錆びや穴は無く、さすがに頑丈な自動車と云うイメージのままでした。
ジープに、ガソリン車の設定があるのは以外でした。元々トラック用エンジンの流用だそうです。
J34を見ていると、「自動車と云う道具は、これでいいのだ!」と、言われているような、すべてに於いて合理的な設計がされている。
雪山でも、砂漠でも、ジャングルでも使える頑丈な道具としての自動車の要件には、遊びは必要ないのかもしれない。
昨今、豪華装備の重量が増える一方の新型車を見ていると、J34がとても新鮮で、魅力的に見えた。

タイトルとURLをコピーしました