ヒルマン・ハスキー(英国車 – 1967-69年式)

輸入車-ヒルマン

ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_01ヒルマン・ハスキー
(HILLMAN HUSKY 英国車 – 1967-69年式)


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英国のヒルマンと云うクルマは、日本では嘗て、いすゞがOEM生産していた「ミンクス(Minx)」と云うクルマで有名かもしれない。
ご紹介しますのは、そのヒルマンの中でも日本では非常に珍しいモデルで、インプ(IMP)と云う小型車のステーションワゴンで、ハスキー(HUSKY)と云います。
国内で、現存1、2台と云われるこの珍しい魅力的なワゴンを、「中兵庫クラシックカーフェスティバル」の会場で、取材させていただきました。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_03このクルマのベースとなった、「インプ(IMP)」と云う小型車は、英国では、サルーンカーレースや、ラリーなどでも活躍したベストセラーカーです。
いわゆるリッターカーで、875ccのエンジンをリヤに搭載した子気味良いインプは、セダン型やクーペ型のボディを持ったタイプや、商用車のバンなども存在しました。
その乗用ワゴンタイプが、このハスキー(HUSKY)で、バンとの違いは、リヤサイドのウインドウがあるか無いかで見分けることが出来るようです。
もちろんハスキーは、乗用車グレードなので、内装は4名乗車で、豪華な装備が施されています。
ちなみに、バンの方は、普通に「インプ・バン(IMP VAN)」と呼ぶようです。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_04ヒルマン・ハスキーの最大の特徴は、この大きく盛り上がったハイルーフスタイルです。
わたしは、セドリック・セダンのハイルーフに乗っているので、この使い勝手の良さは、想像がつきます。
リヤエンジンならではの、グリルレスのフロントマスクとこのハイルーフを持つ姿は、とても個性的で、英国小型車らしい魅力的なスタイルとなっています。


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ヒルマン・ハスキーのボンネットは、インプと同じく、ベルトで固定されています。
1930年代のクラシックカーなどから続く、これも英国車伝統のアイテムでもあります。
左に見えるキャップは、燃料タンクのキャップで、ガソリンタンクは、ボンネットの中にあります。
これも、60年代の英国車に、よく見られるレイアウトのひとつです。


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ボンネットの中身は、荷物室になっています。スペアタイヤも前部に搭載されています。
ちゃんと樹脂製のトレイで仕切られているところが、ステーションワゴンたる装備と云えます。
トレイの下に燃料タンクが備わります。容量は20リッター前後と云うところだそうです。
メンテナンス用の車載工具も入っています。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_07こちらは、運転席ドアヒンジの付近に取り付けられた、製造時期を表すバッジですが、なぜかハスキーの製造時期(1967-1969)と、異なる1965年のものが貼られていました。
これは、オーナーさんにとっても謎だそうです。(まさかヒルマンが作り置きしてた?)


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こちらは、色コードなどが刻印されたプレートです。パーツ発注時などに確認するプレートなのでしょう。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_10ヒルマン・ハスキー、最大の特徴であるワゴンタイプのリヤゲートを開くと、このようになっています。
リヤエンジンなので、床の高さはありますが、ハイルーフなので、広々としていました。
わずかな隙間からラジエータやエンジンが見えました。
オーバーライダー付きの、めっきバンパーや、丸い方向指示器とブレーキ灯、そしてサイドのボディラインなどが古き良き1960年代英国車の雰囲気を出しています。


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後ろの横の窓は、引き戸式に開くようになっています。
窓の面積が広い分、室内は明るかったです。
ちなみに、インプ・バンは、この部分がスチールパネルのはめごろしになっているそうです。
日本のハイエースなどの営業バンにもみられる、窓の形をしているけど窓は切っていないと云うあのタイプです。


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ハイルーフなので、頭上のスペースもしっかりとあり、後席の居住性も良さそうです。
写真は、エンジンフードを開けてあるので、フードパネルが手前に写っています。
ステアリングの寝方が、BMCミニにも通じるところがあります。


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荷室のカーペットの下には、エンジンフードが着いていて、それを開けるとエンジンとラジエータが見えるようになっています。
ちょうど、ミドシップのホンダの軽トラックなどと同じような形です。
バッテリーは、右端に着いていますが、そこには専用の小さなフードが別に着いていました。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_16左にラジエータがあり、中央にエンジン本体が寝かせて搭載されていました。
ラジエータの風は、フロア下から取り入れることになるのでしょう。熱気は、リヤゲート下のスリット部分からはき出すようです。独特の形状ですが、一体何層なんでしょう?
エンジンの角度に驚きました。21世紀のトヨタのミニバンなどでも、寝かせたエンジンのクルマがありましたが、1960年代に既にあったんですね。
エンジン右側にインテークマニーホールドを介して、シングルキャブレターが着いています。
エアクリーナーフィルターは、外品だそうです。
そして、さらに右奥に、バッテリーが搭載されています。


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ヒルマンのオリジナルは、875ccのアルミブロック製!エンジンだそうですが、この個体は930ccの同型のエンジンに積み替えられておりました。
水冷式直列4気筒SOHC 2バルブだそうです。
床下搭載エンジンの割には、日常メンテナンスで必要なところは、全て見えているので、とてもメンテナンス性は良さそうにみえました。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_19ドアは、しっかりとしたヒンジに支えられていました。
ドアの幅だけある大きなポケットもスチールパネルで出来ています。
三角窓や開閉レバーの類が、60年代独特の形状をしています。


ヒルマン・ハスキー(英国車 - 1967-69年式)_20英国車らしい木目を貼ったインストゥルメントパネルが特徴のヒルマン・ハスキーの室内。
この時代のクルマらしく、ステアリングコラムには、ウインカーレバーのみが着いていて、メインキーやらヘッドライトスイッチなどは、インストゥルメントパネル内に収められています。
比較的小さな丸型メーターを基調としたデザインも英国車独特の雰囲気を出しています。
BMCミニの対抗馬とも云われているヒルマン・インプシリーズですが、ステアリングシャフトの角度や中央に寄ったペダル類など、両者の共通点も見られます。


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魅力的なデザインのスピードメーターは、マイル(MPH)主体で、内側に黄色でキロ(Km/h)が書かれています。
100MPH=160km/hまで目盛られていました。


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これもBMCミニと同様の装備と云うことですが、ウインカーレバーを根元方向に押すと、ホーンが鳴るようになっています。
鳴らして貰ったのですが、独特の長閑ないい音がしました。


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【こぼれ話】
この個体は、2010年中兵庫クラシックカーフェスティバルの会場にて、取材させていただきました。
わたしの中では、会場で一番目を惹いた一台でした。
ヒルマン・インプ(HILMAN IMP)、サンビーム・インプ(SANBEAM IMP)、シンガー・シャモイズ(SINGER CHAMOIS)は、兄弟車だそうで、セダンタイプしか見たこと無かったのですが、前から気になっていたクルマでした。
RR車独特のグリルレスデザイン、60年代英国車独特のバンパーや、丁度良いサイズ。
いかにも小気味よく走りそうで、一度間近で見てみたかったクルマが、中でも一番レアな車種で実現しました。
オーナーさんは、他にもBMCミニや、インプをお持ちだそうで、英国小型車のことをとてもよくご存知でした。
わたしもセドリックのハイルーフに乗ってるので、ハイルーフ繋がりでしたが、広いグラスエリアと室内、ちょうどよい大きさ、シンプルな構造など、英国小型車の魅力満載の超レアカー、ヒルマン・ハスキーは、思わず欲しくなる、とても素敵な一台でした。

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