トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 – 1965年型)

日本車-トヨタ

トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_01トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_02


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S
(TOYOPET CORONA 2Door Hardtop 1600S – RT51型 -1965年*)
トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_031965年。日本の乗用車は、国民車から少し上等の、スポーツ指向がようやく出始めた時代でした。
鈴鹿に始まった日本グランプリも3回目を迎え、販売競争だけでなく、モータースポーツでもトヨタ、日産の凌ぎを削る闘いが繰り広げられていました。日産ブルーバードとトヨペットコロナは「BC戦争」と呼ばれ、その闘いの真っ只中のクルマでした。
そんな時代、ブルーバードSSSに対抗して登場したのがコロナ1600Sでした。
ここでは、今では珍しい1600Sの2ドア・ハードトップをご紹介します。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_04RT40系コロナに、ハードトップと呼ばれるBピラーを省いた2ドアモデル、RT50系が追加されました。
さらにRT51は、ワンランク上の1600ccエンジンを搭載し、スポーツバージョンとして発売されました。
RT40系と同じ意匠のマスクを持ちますが、スタイリッシュな2ドアボディを持ち、ピラーレス国産ハードトップボディの先駈けとなりました。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_05RT51コロナ1600Sのマスクは、4ドアセダンとあまり見分けがつきません。オーバーライダー付のめっきバンパーやグリルの形も若干違いはありますが、4ドアセダンとそれほど変わりない姿です。
但し、1600Sのバッジが、只者ではない証ではありました。
そして、21世紀に流行した「クリアウインカー」ですが、既にこの1960年代に存在しておりました。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_06後姿は、セダン系とは意匠の違うコンビネーションランプが与えられ、独特の雰囲気を持ちます。
屋根から長めのトランクに伸びるラインが非常に綺麗です。
流れるようなスタイルを重視してか、リバースランプ(後退灯)は、バンパー下に着いています。
この個体のマフラーは、社外品が装着されておりました。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_08前後の絶妙な長さのバランスが美しい、コロナ・ハードトップの横からの眺め。
この個体にモデファイされた足回りの、ウェッジを強調した車高バランスが、さらにその姿を引き立てます。
ロングノーズ・ショートデッキも良いですが、このトランクのラインが長い美しさと云うのも、ラテン的な個性があります。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_07さて、こちらはガソリンの給油口ですが、これが中々ユニークで、後ろのナンバープレートをめくると現れます。
ガソリンキャップのラインで、ボディ・シルエットを損なうのを嫌ってのことでしょうか。
これは、RT40系にも共通する特徴ですが、21世紀の若いスタンドマンには、中々発見が難しいかもしれません。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_09リヤウインドウからの運転席の眺め。青みがかった強化ガラスも、今では懐かしい輝きです。
スポーティと云うよりは、エレガントな印象で、この15年後に登場するスペシャリティーカー、ソアラへの序章とも云えます。
ナルディの3スポーク・ステアリングは社外品です。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_10コブラのクラブマンシートが、純正のようによく似合う室内。赤いカーペットも雰囲気です。
ドアのサッシュや内張りまで、新車のような輝きを保つ固体でした。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_11メーター周りにベージュ色を使っているところが、ヨーロッパ製GT的なインストゥルメントパネル。
外枠は、殆どRT40系セダンと同じなのですが、RT40系がバー型のメーターなのに対して、こちらは丸型4眼メーターとなっています。
独特の曲線を描くシフトレバーがとても個性的です。
イグニッションスイッチは、ステアリングコラムではなく、インストゥルメントパネルの右端にあります。
これもRT40系と同じです。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_124眼メーターは、左から、AMP(電圧)、FUEL(燃料)、スピード、回転計、OIL(油圧)、TEMP(水温)となっています。OHVエンジンと云うことで、タコメーターのレッドゾーンは5,500rpmからと低めになっています。
サイドブレーキは、ステッキ式と云うT型のレバーを手前に引くタイプで、ステアリングの右下あたりに着いています。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_13コロナ・2ドア・ハードトップは、5名乗車と云うことで、シンプルなデザインの後席が装備されています。
後席横の小さな窓は、ちゃんと巻き上げ式になっていました。
決して広くは無いかもしれませんが、+2ほど居住性は悪くなさそうな印象でした。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_15【スペック】
車両型式:RT51型
エンジン:4R型 水冷式直列4気筒 OHV 1,587cc SUツインキャブレター付
最大出力:90ps/5,800rpm
ボア×ストローク:80.5mm×78.0mm
駆動方式:FR
変速機:フロア式4速マニュアル
乗車定員:5名


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_14さて、エンジンルームに行ってみましょう。
RT40,50系コロナは、共通してこのように逆アリゲーター型のボンネットになっています。
スピードスターのホイールがとてもよく似合っています。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_16こちらが、4R型OHVエンジン。この個体は、純正の機械式ポンプが取り外され、電磁式に変更されていました。また、エンジンの前に着いている2枚羽根のファンも取り外され、ラジエータの前方に電動ファンが取り付けられていました。
オーナーさん曰く、「純正の2枚羽根では、ツライ」とのこと。
21世紀の夏は、当時よりもかなり暑いと云うのもあるのでしょう。
まだ、この時代のコロナには、ブレーキブースター(マスターバック)が装備されていません。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_17SUキャブ独特の丸い形状が見えます。エアクリーナーは、昨今のパワーフィルターのようにも見えますが、純正だそうです。
エアクリーナーボックスは、1960から1970年代の国産車のお約束とも云える、水色に塗られています。
SUツインキャブ仕様の4Rは、OHV独特の野太い快音を轟かせていました。


トヨペット・コロナ・2ドア・ハードトップ・1600S(RT51型 - 1965年型)_18【こぼれ話】
この個体は、関西方面のイベント会場で、オーナー様にお声をかけさせていただき、取材しました。
コロナ・ハードトップと云えば、1600GT-Rの方は、メディアなどに登場する機会が多いように思いますが、
そのルーツたる1600Sは、RT40型セダンから受け継いだ気品を残す、とても美しいパッケージングが魅力です。
このセダンっぽい顔をしたハードトップ、昔、どこかで見たような?と思っていたら、トヨタ博物館にありました。
後姿が特に、ヨーロッパ的で好きな一台です。
この場をお借りして、オーナー様、ありがとうございました。

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