

フォード・エスコート・
RS1600・Twin-Cam
(Ford Escort RS1600 Twin-Cam – 英国車 – 1969年式)
21世紀の現在でも、ツーリングカーレースが最も盛んな国の一つがイギリス。
その地で1960年代~70年代にかけて、一時代を築き上げたのが、英国フォード製のサルーンカー、エスコートRS
ここでは、京都府綾部市にあるヤマモト自動車さんが所有する、”ALAN MANN RACING”カラーのボディに、レーシングエンジン「コスワースBDA」型を搭載した、貴重なレーシングモデルをご紹介します。
英国フォード製の小型2ドアセダン、エスコートRS(Mk-1)は、1968年に登場しました。やがてツーリングカーレースや、ラリーでの勝利を目ろんで、それまでの直4 OHVから、「Twin-cam」4バルブ、直4 1,558ccを搭載したモデルが追加されます。
このエンジンは、フォード・コルチナのホットバージョン、ロータス・コルチナ(Lotus Cortina)に搭載されていたものでした。
小型のボディと強力なツインカムエンジンは、モータースポーツでの使用に於いて愛称抜群で、RACラリーをはじめとする世界的に有名なラリーイベントや、ツーリングカーイベントを制しました。
ここにご紹介する個体は、フォード製の「腰下(エンジンのシリンダーブロックから下の意)」に、レース用ピストン、カム、キャブレターを組み合わせた、レーシングエンジンチューナー「コスワース」製作のコンプリートエンジン「BDA」型を搭載している「Twin-cam」と云うモデルです。
【エンジンスペック】
型式:コスワースBDA型 (Cosworth Belt Drive “A-type”)
形状:水冷式直列4気筒 DOHC(Twin-Cam) 16バルブ
排気量:1,600cc
1970年代初頭の普通の2ドアセダンボディに、ツーリングカーレース用にオーバーフェンダーが装着され、バンパーが取り外されています。
ボンネット、トランクリッドの固定は、いわゆる「ボンネットピン」式で、高速での振動で勝手に開くことを防止しています。
カラーリングは、ブリティッシュ・サルーンカー・チャンピオンシップ(現BTCCのルーツ)に出場していた「アラン・マン・レーシング(Alan Mann Racing)」のレプリカカラーリングが施されていました。
1968年シーズンのフランク・ガードナー(Frank Gardner)選手車あたりがベースと思われます。
バンパーレス、黄色い牽引フック、ボンピンなどが、只者では無い雰囲気満載のエスコートRS1600ですが、ちゃんとナンバープレートを取得しており、一般道での走行が可能な車検を受けています。
但し、ヤマモト自動車さん曰く、「レース用のツインクラッチクラッチと、軽量クランク、フライホイールの組み合わせで、停止からの発進が非常に難しい。」そうです。
わたしも、軽自動車のフルレーシングマシンをパドックで動かした経験があるので、なんとなく想像出来ました。
こちらが、コスワース製BDA型エンジン。
キャブレターもウェーバーが2基装備されており、排気管はもちろん等長排気管(タコ足)でした。
手前の赤いアルマイトの箱は、ブローバイガスを溜める為の、オイルキャッチタンクです。
キャブレターのファンネルに、スポンジ状のフィルターが着いていますが、サーキット走行時には外さないと、吹き返しの炎で溶けてしまうんだそうです。
それにしても美しく磨き上げられたボディワーク、そしてエンジン!
頑丈なストラットタワーバーの先には、車高調整式と思われるショックアブソーバーが、ピロボール(キャンバー角可変式機構)で装着されておりました。
アッパーマウントのハンドメイド感が堪らない輝きを発していました。
コックピットと云うのが合っている気がするピッカピカの運転席周り。英国車らしい文字盤のメーターが並び、雰囲気抜群です。
実際に運転席に座らせていただきました。
なんとまぁ、クラッチペダルの重いこと! 同じく重いフェラーリ328GTSとは、また違った感じの重さで、いかにも「強化されています」と云う感じでした。
これが、軽いフライホイールのエンジンと組み合わされ、ミート部分が極僅かしかないレーシングクラッチと来れば、街中の渋滞路などはもう、重労働なんだろうなぁと思いました。
ミート回転は、3,000rpm以上回していないと一撃でエンストだそうです。それがまたマニアックでいいのですけど。
マイル(MPH)表示の速度計。回転計は、6,500rpmからがレッドゾーンになっていました。
右側の小さな計器類は、上段が左から水温計(TEMP)、電流計(Volt)、下段が左から燃料計(Fuel)、油圧計(Oil Pressure)となっておりました。
なんだか見覚えのあるインストゥルメントパネルだと思ったら、パソコンゲームの「GT Legends」や、「Rally Trophy」と云う、旧車レースゲームにエスコートRSが登場する為でした。名車ゆえに。
【こぼれ話】
この個体は、京都府綾部市に在るクラシックカーのお店「ヤマモト自動車」が主催する「チームヤマモト・クラシックカーフェスティバル 2011」の会場にて、ヤマモト自動車さんが所有する個体を取材させていただきました。
あちこち写真を撮らせていただいていたら、ヤマモト自動車さんのオーナーさんが来てくださり、エンジンやら中まで乗せて貰ったりと、大変お世話になりました。ありがとうございます。
このイベントは、わたしの年中イベントの重要な一つで、ものすごく楽しみにしています。
ヤマモト自動車さんは、他にもエラン、コルチナ、スーパーセブンなどのロータス車やBMC時代からのミニ、あるいは、貴重なランチア・037ラリーまでメンテナンスをされているその道ではかなり有名なお店です。
Nostalgia-Cars Webサイトでも、いつかお店で取材させて頂きたいと思っているところです。
ありがとうございました。
取材協力:クラシックカーガレージ ヤマモト自動車
Webサイト:http://www.ccg-yamamoto.com/
ブログ:http://blogs.yahoo.co.jp/sunbeam_imp

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