日産・ローレル・ハードトップ・2000GX
(NISSAN LAUREL HARDTOP 2000GX – KPC30型 – 1970年式)
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日産ローレルと云えば、ミドルクラスのセダンと云うイメージがありますが、初代ローレルから3代目(C230型)までは、伝統的にピラーレスの2ドアハードトップの設定がありました。
この初代は、日産では始めてのピラーレスハードトップでした。
ここでは未再生車と思われる1970年式のKPC30型ローレル・ハードトップをご紹介します。
ハコスカと違い、現存数が少なく、今では大変珍しい貴重なクルマになってしまいました。
顔つきは、どことなくハコスカのスカイラインに似ていますが、ローレルは全体的にさらにがっちりとした印象を持っています。
さらにこの個体は、貴重な純正ファントムトップが当時のまま残っていました。屋根部分はバックスキンのような質感で、これも21世紀でお目にかかれるのは大変珍しいものです。
21世紀のカスタムに流行の白いウインカーレンズも、1970年当時のままの純正標準装備品でした。
リヤコンビネーションランプも、斬新なウインカーとの一体式で、丸ごとウインクするタイプでした。もし、現代のクルマをこのような仕組に改造しても車検は通らないと聞きました。
この写真では判りづらいですが、リバースランプは、めっきのバンパー左右に埋め込まれています。
GXと云うグレードは1970年に追加されたスポーティバージョンだそうです。
バックスキン調の屋根の質感がよく判る一枚。
直線的で箱型が強調されたデザインは、ガッチリとした安心感を与えるデザインとなっています。
給油口は、ナンバープレートの後ろに隠されており、左右にフューエルリッドはありません。
このあたりにも、「ハイオーナーカー」クラスを意識したデザインへのこだわりが感じられます。
この個体には、ハヤシストリート(ハヤシレーシング)ホイールが装着されていました。
エンジンルームは、オーナーさんがこれから手を入れられるそうで、未だ発掘されたままの姿でした。
ローレルは、日産自動車とプリンス自動車が合併した時に登場したそうで、エンジンはプリンス自動車製のG型と云うエンジンが積まれていました。GXに積まれるエンジンは後述するG20型で、キャブレターは、SU型のツインキャブレターです。
このクラスになると、さすがにブレーキブースターも装備されています。
【エンジンスペック】
エンジン型式:G20型 水冷式直列4気筒SOHC 1,990cc SUツインキャブレター付。
内径×工程:89×80
最高出力:125ps/5,800rpm *gross値
最大トルク:17.5kgm/3,600rpm *gross値
燃料:ハイオクガソリン指定
この時代の日産のエアクリーナーボックスの特徴で、何故か水色に塗られています。
室内は、要所に木目があしらわれた落ち着いた雰囲気です。多眼式のインストゥルメントは、この時代の流行ですが、スカイラインやフェアレディのような丸型ではなく、セドリックなどに近い角型となっていました。
シートは、ビニールレザーと織物を組み合わせた「セミファブリック」タイプでした。
センターコンソールのひじ掛けの蓋に、お洒落な模様が入っています。これも純正でした。
セドリック寄りの印象が強い運転席側のインストゥルメントパネル。
マニュアル車ですが、この頃はまだ4段でした。フロアシフトですが、サイドブレーキはステッキ型で、ハンドル左下の一文字のレバーがそれです。
センターコンソールに「冷房車」と云うステッカーが貼ってありますが、この頃はまだクーラー付きのクルマが出始めた頃だったのでしょう。ちなみに助手席のグローブボックス下にある噴出し口が「クーラー」で、まだ「エアーコンディショナー」ではありません。よく冷えますが、時々窓を開けて換気が必要でした。
リヤシートもセミファブリックタイプのシートが装着され、左右2名が座るのが前提のデザインとなっています。
70年代のハードトップボディにありがちな、リヤサイドのウインドウが下まで開き切らないタイプではなく、ちゃんと下まで開くようになっていました。
頭上の空間も、しっかりと確保されていたようで、4名が快適に乗れるクルマだったようです。
【こぼれ話】
この個体は、「チームヤマモト・クラシックカーフェスティバル 2011」に出品されていた車両のオーナーさんにお声をかけさせて頂き、取材させていただきました。ありがとうございます。
510ブルーバード、C10型スカイラインと共に、C30ローレルは、同系統の四角いデザインが特徴でしたが、
わたしが子供だった当時、目にした時にも、どことなく上級で落ち着きのある雰囲気がしていました。
ブルやスカGと違って、ミニカーやプラモデルになることも少なかったように思いますが、それだけに後々まで気になる存在でした。
昨今、すっかり見かけなくなった初代ローレルだけに、会場で見かけたときは小躍りする気分でした。
これからじっくりと手を入れていかれる様子で、いつまでも大切に走り続けて欲しい一台でした。



