日産・キャラバン・カスタムバン・デラックス(VPE20型 – 1979年式)

日本車-日産

日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_01日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_02
日産・キャラバン・デラックス
(NISSAN CARAVAN Deluxe – VPE20型 – 1979年式)


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_031990年代からは、乗用車としての大型バンがファミリーカーの標準車となって行きましたが、その先駆けとなったのは、1970年代後半でした。
と、云っても当時はまだ、商用向けのキャブオーバー型ワンボックスカーに、若者が「バンニング」と云う名のカスタムチューンを、施すと云うスタイルが主流でしたが、その一時代の憧れとなったのが、ここに紹介する、初代ニッサン・キャラバンでした。
ここでは、貴重な当時のチューンを施してある個体をご紹介します。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_04初代キャラバン「E20」型は、日産の主力商用バンとして、1973年に登場し、トヨタの「ハイエース」のライバル車として、フルサイズのキャブオーバー型1ボックスカーの一翼を担っていました。
この個体は、排ガス規制対策後の水冷式直列4気筒OHV 2,000ccのH20型エンジンを搭載した後期型モデルです。デザインは、前後左右から、一目でそれと判る個性的な外観をしていました。
販売系列の違いで、プリンス自動車時代からの名前「ホーミー(HOMY)」でも売られていました。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_05内装は、当時の営業車に多かった、うす茶色系で統一されていました。この個体は、随所でカスタマイズされており、ステアリング(アバルト)や、エアホーン(手前の赤いヒモ)などが装備されています。
シートは、セミベンチシートで、それゆえにマニュアルシフトは、コラム式となっていました。
ドア内側やバルクヘッド部分に、外装色と同じ鋼板がところどころに露出しているのも、当時の商用車に見られる特徴でした。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_06この頃から「デラックス(Deluxe)」と云う一見豪華なグレード名も、「商用車の少し装備がいいタイプ」の扱いとなり、廉価グレードの一種でしたので、インストゥルメントパネルには、回転計は装備されず、水温計と燃料計の大き目のものが装備されています。
但し、奥行きのある四角いメーターのデザインは、当時のセドリックなどに近い意匠で、当時としては高級感のあるデザインでもありました。メーターの周りに各種のスイッチが装備されているのも、今となってはユニークです。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_08今回は、車種紹介と云うより、この個体にちりばめられた、当時のカスタム部品の数々を主にご紹介します。
先ずは、カセットコンポが、8トラックから4トラック型になった1980年前後の物と思われる4トラックカセットデッキ。挿入した状態でもカセットテープ本体が見えるタイプですが、「ステレオ」で、しかも「ドルビーシステム(DOLBY NOISE REDUCTION SYSTEM)」と云うノイズ低減装置に、「オートリバース(自動的にA面とB面が切り替わる仕組み)」が奢られた、当時では最先端の物と思われます。これは、クラリオン製でした。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_09こちらは、三共電器(現・サンデン)製のロータリー式クーラーと思われます。当時の室内冷却装置の主流は、「カーエアコン」ではなく、「カークーラー」でした。つまり、外気を冷やして取り入れるのではなく、内気を冷やして戻すだけの構造で、シンプルな構造だった分、内気循環のみなので、エアコンよりも、まめに換気が必要でした。
「カークーラー」の噴出し口は、インストゥルメントパネルとは別に、助手席のダッシュボード下に吊り下げられていました。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_10こちらは、まだ、冷房装置自体の装着率が低かった当時では、かなり珍しい豪華装備だったと思われる、後部座席用に取り付けられた「カークーラー」です。
日本の自動車に、「エアコン」が標準装備され出したのは、1980年代中頃以降だったと記憶しますから、1980年前後に、クーラーが前後2つも装備されていることは、かなり珍しかったはずです。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_11こちらは、後部座席の天井に取り付けられていた、「シャンデリア」型のルームランプ。21世紀でも、中型以上のトラック用の装備では、まだまだあるようですが、これも当時のドレスアップとしては、豪華な装備だったと思います。
しかも、光量をアナログ調整できるようにもなっています。メインスイッチがトグルスイッチだったり、めっきの光量調整ツマミだったりと、当時のいい味が出ています。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_12さらに、Bピラーの室内側に装備されていた、70年代レトロなアクセサリーランプ。その形や独特のオレンジ色が、当時の喫茶店やラウンジの雰囲気を醸し出す、今となっては大変貴重なアクセサリーです。よくぞ残ってくれていました!と、云いたくなるようなランプでした。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_13手前のがちゃぴんタオルが無かったら、時代錯誤してしまいそうな70年代レトロ全開の荷室。
内張りは、純正のビニールレザーから、木製に換装されておりました。
そこに、懐かしいストライプの窓のきみどりカーテン、天井の丸型蛍光灯、内張りに埋め込まれたクラリオンの3ウエイステレオスピーカー。
どれをとっても、涙モノの1970年代カスタムチューンでした。素晴らしい!


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_14こちらは、外装チューンですが、E20専用と思われるフロントガラスのヒサシです。よくぞこんなに綺麗に残っていたものです。
どちらかと云うと、エアロダイナミクスが優先される昨今の自動車では考えられない装備ですが、これが着いていると、なんともカッコよかったのです。
そしてよく見ると、中央部分は、後ろに風が抜けるようになっていました。


日産・キャラバン・デラックス(VPE20型 - 1979年式)_15最後に、当時のバンニングの定番「バニングミラー」。土台の間に、純正っぽく「Custom VAN」のエンブレムも入っていました。
【こぼれ話】
この個体は、中兵庫クラシックカーフェスティバル2011の会場でオーナー様にお声を掛けさせて頂き、取材させていただきました。ありがとうございます。
当時の憧れ「E20キャラバン」見参!の上に、ここまで1970年代カスタムを極めた姿での出展に、会場の注目度も抜群でした。
わたしは、当時小学生でしたが、「大人になったら、キャラバンのバニングに乗る!」と、夢を語る小学生がどれ程居たことか。
わたしも、運転免許を取ったら、こういうクルマの車中で寝泊りして、日本中を旅することに憧れたひとりでした。
まだ、FRPのエアロパーツなど、殆ど無かった時代。グリルをブラックアウトして、カスタムミラーを着けて、極太のアルミホイールを着けて(パワステが無い時代なので、実際に、これをやると、ステアリングの重さがえらい事になるのは、まだ知らず。)、夢が広がった子供時代のアイドル的なクルマでした。
そして、そのアイドルは「会いに行ける」AKB48のように、「手に入りそうな」クルマだったので、憧れもひとしおだったのです。

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