クライスラー・ニューポート・カスタム
(CHRYSLER NEWPORT CUTOM – 米国車 – 1976年)


1970年代の米国車と云えば、大排気量、フルサイズボディのFRセダンですが、その代表格のひとつ、6代目クライスラー・ニューポートカスタムをご紹介します。
迫力の6.6リッターV8搭載です。

6代目ニューポートカスタムは、なんと云っても圧巻の角ばったフルサイズボディが特徴で、全長5,715mm、車幅2,019mm、ホイルベース3,150mmと云う巨大なセダンです。

当時のアメリカ映画などではよく見かけたスタイルですが、実際に日本で見かけることはあまり無かったと思います。

日本の標準的な駐車場の白線枠を楽々超える圧巻の全長5,715mm。
ベージュのボディとホワイトリボンタイヤがよく似合っています。

車幅は2,019mmと2メートルを超えます。
Y31セドリックのボンネットよりも遥かに大きなトランクフード。
少し下がったテールの形状に、70年代アメリカンカーアクションの1シーンが蘇りそうです。

新品同様に綺麗にポリッシュされた、ニューポートカスタムの純正ホイールカバーには、CHRYSLERの文字が刻印されています。

フロントマスクも70年代アメリカンフルサイズの象徴的な造形です。
それにしてもこの個体は各部共に新車のように輝いていました。

パワーユニットは、400cu.inですから6,600ccの水冷式V型8気筒で、138kwのパワーと、427Nmのトルクを発揮していたようです。


エアクリーナーボックスやコンピューターボックスは、このようにノーマルとは思えないぐらいに綺麗なレターで飾られていました。
上記の写真にあるように、この個体には黄色いドライバッテリーが装備されていました。


このドアの厚みをしかと見よ!
この様は、大きなマグロの切り身のようでもあります。
ドアには、三角窓が装備されていました。

セミベンチタイプのフロントシートは、このファブリックの質感がなんとも豪華で、高級家具のソファーのようでした。
インストゥルメントパネルも木目と皮革が贅沢にあしらわれています。
写真では伝わり切れないかもしれませんが、とてつもなく幅の広い室内でした。

リヤシートも同様に豪華で広々です。しかし、センタートンネルを意識してか、シートは2名掛けを意識した形状になっていました。このサイズでなんとも贅沢な気がします。

木目をあしらった、「家具調」のインストゥルメントパネル。
1970年代のアメリカンセダンは、それ以前のものとも以後のものとも似つかない、独特の落ち着いた雰囲気があります。
ミッションは、コラム式のオートマチックです。
なるほど、Y30セドリックの木目ゼッペキパネルは、このあたりの影響が濃いのかもしれません。

21世紀のミドルセダン以上では標準化してしまった感のある、足踏み式サイドブレーキですが、クライスラーは、既に70年代のニューポートに採用していました。
確か、映画のカーアクションにも登場したように記憶しますが、やはり足踏み式でサイドターンなどをキメて居たのでしょうか。
【こぼれ話】
この個体は、中兵庫クラシックカーフェスティバル2012の会場で、オーナー様にお声を掛けさせて頂き、取材させていただきました。ありがとうございます。
70年代アメリカンフルサイズを、じっくり見せていただいたのは、これが初めてだったと思います。
カーアクション映画などで見るよりも実際に目の当たりにして、その大きさに改めて驚きました。
また、内装が木目とファブリックと云う、どことなく和の雰囲気が漂うのも意外でした。
この巨体をふんわりと揺らしてのクルージングは、きっと格別の思いに浸れるでしょう。
やがてこの6代目ニューポートの時代を境に、世界はオイルショックを迎え、アメ車もエンジン、ボディ共にサイズが小さくなって行きます。
そういう意味で、このニューポートカスタムは、最後のアメリカンドリームだったのかもしれません。




