アルファロメオ・モントリオール(ALFA-ROMEO MONTREAL – イタリア車 – 1970年)

輸入車-アルファロメオ

アルファロメオ・モントリオール(ALFA-ROMEO MONTREAL - イタリア車 - 1970年)_01アルファロメオ・モントリオール
(ALFA-ROMEO MONTREAL – イタリア車 – 1970年)

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とても1970年代らしいデザインの、イタリアンGTをご紹介します。
アルファロメオ・モントリオールは、マルチェロ・ガンディーニのデザインを纏ったスーパーカーで、1970年に発表されました。
1970年代のベルトーネと云えば、名うてのスーパーカーたちを輩出した組み合わせですが、このモントリオールも、ガンディーニのスーパーカーDNAが随所に見られる、大変貴重な一台です。


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全体のスタイリングは、いかにも1970年代の近未来的デザインで、サイドウインドウやテールエンドのフィニッシュなどに、同時期のマセラティやランボルギーニなどにも通じる、当時のカロッツェリア・ベルトーネの特徴が見られます。
奥に停めてある、日産ティーダ(1.5リッターのコンパクトカー)と比べると、非常にコンパクトなスポーツカーであることが判ります。
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スーパーカー満載の感があるアルファロメオ・モントリオールですが、全体的には「GTカー」と云う印象も残ります。
北米の街の名が着いているだけあってか、オレンジ色のボディ色と、ブラックアウトされたナサダクトの印象が強いのか、どことなくアメリカンGTのような雰囲気も持っているように感じたからです。
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モントリオールの最も特徴的なのが、このフロントマスクです。
グリルデザインと一体のセパレート型バンパー、そしてセミリトラクタブルのようなヘッドライトガーニッシュ。
「のような」としているのには、次にご紹介する秘密があるのです。
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この個体のオーナーさんが、個性的なヘッドライトの動きを実演してくださいました。
動いた瞬間、会場でも「わぁ~!」と驚きの歓声があがったこのヘッドライトガーニッシュの動き。
この圧縮エア式ガーニッシュは、じつは上に開くのではなく、ヘッドライトの前を通過して、下側に収まるようになっているのです。
さすがは、当時屈指のスーパーカーデザイナーが仕掛けたギミックです。
ガーニッシュを開いた顔つきも、またいかにもガンディーニらしいと云う印象でした。
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そして、次に個性的な部位が、このドアとその後ろのスリットダクトです。
モントリオールは、フロントエンジン車なのですが、このなんとも1970年代初期らしいスリットが大きくあしらわれています。
めっきモールが随所に配置されているのも、この時代のGTカーらしい特徴です。
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さらに、後姿はイタリアンスーパーカーそのものと云えるスタイリングです。
テールゲートは、ガラスの部分のみが開閉式となっていました。
と、云うことは屋根から両サイドのフェンダー、テールエンドまでが全て一体になっているわけで、板金修理の問題を除けば、かなりボディ剛性が高そうに思えました。
ちなみに、後輪のホイールハウスが丸くないところも、いかにもガンディーニらしい特徴と云う感じがしました。
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特徴的なバンパーの奥に、ALFA ROMEOの文字盤が大きく入り、当時のアルファのフラッグシップ的なモデルであったことが伺えます。
真ん中に二本突き出したテールパイプが、スーパーカーの証でもあります。
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アルファロメオ・モントリオール純正のカンパニョーロ製(後にテクノマグネシオ→MIM)の14インチホイールが装着されていました。4本スタッドと云うのが意外な気がします。
タイヤサイズは、195-70R-14のファイアストン製でした。
21世紀では、かなり標準の乗用車サイズとなりましたが、このサイズは、1970年代当時としては、かなり太く、扁平率も高いタイヤだったように記憶します。
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スマートなボディにぎっしりと納まるエンジンは、2,593ccの水冷式V型8気筒SOHCで、230BHPの馬力と27.5kgmのトルクを発生する、スーパーカーとして納得の行くスペックです。
とても洗練された近代的な概観の印象を与えるのは、キャブレターではなく、機械式燃料噴射装置が奢られている為です。
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低い車体のドアを開くと、室内もスーパーカーの世界へご招待!と云う印象でした。
アルファロメオらしい、ディープコーンの3本スポーク木製ステアリングが装着されいてますが、その他は、モントリオール特有の非常に個性的なデザインを持っています。
高級スポーツカーらしく、アルミ製のサイドシルカバーにも「ALFA ROMEO」の文字が入っています。
ドア開口部に着いている鍵付きの四角いレバーは、テールゲート用と思われます。
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このスタイリングにして驚きは、このモントリオールは、2+2座を備えていることでした。
その実用性はともかくとして、同時期のベルトーネボディを持つ、マセラティや、後のフェラーリにもありましたが、クーペボディのスタイリングを損なわず、見事に+2座席を造ってあるところが、デザインの妙と云えると思います。
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ここまで未来的で、攻撃的なアナログメーターのレイアウトがあったのか!
と、思わせる超個性的なモントリオールのインストゥルメントパネルの計器類。
モントリオールのシフトレバーは、当時のスポーツアルファの特徴である、前方から斜め後ろに生えるのではなく、スーパーカーらしい少し高い位置に短いレバーが着いていました。
正確には、高い位置ではなく、車体、シート高など、周りが低いのでそう見えるのかもしれませんが、これがまたモントリオールのスーパーカーらしいところでもありました。
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大きな速度計、回転計の下は、左から時計、電流計、水温計、油温計と並び、警告等などの灯火類は、主眼メーターの周りに配置されます。
また、大きな速度計の文字盤は、一桁目のゼロが除外され、26、つまり260km/hまで目盛られています。
km/hではなく、km/h x 10 となっているのが特徴です。
これまで観たクルマの中で、このような表現手法を持っているのは、このモントリオールが初めてでした。
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ブラックアウトされたフロントスポイラーが装備されており、フロントの浮き上がりを防止することに一役かっているようです。
よくよく考えてみると、この低いフロントノーズに、V8が載っているとは、にわかに想像し難い絶妙なパッケージであることに気がつきました。
ぱっと見た印象は、どう観てもミドシップ、どう観ても2シーターでしたから、これもガンディーニ・マジックといったところでしょうか。。。マルチェロ・ガンディーニ恐るべし!
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【こぼれ話】
この個体は、チームヤマモト・クラシックカーフェスティバル2014の会場で、オーナー様に声を掛けさせて頂き、取材させていただきました。
ありがとうございます。
21世紀の日本で、まさか!モントリオールにお目に掛かれるとは思いませんでした。
少し調べてみたら、当時3,700台程しか生産されず、日本には正規輸入で10台程度しか入っていなかったそうなので、相当希少な固体であることが判りました。
それでも、この個体を見たときに、アルファロメオ・モントリオールと云う名前がすんなりと出てきたのは、1970年代後期のスーパーカーブームのお陰です。
わたしは、その頃まだ小学校低学年ではありましたが、いくつか持っていたスーパーカーの本(「スーパーカー大百科」と云った名前が付いた子供向けの分厚い本)などに、カラー写真入りでちゃんと紹介されていたのでした。
当時、兄と「このライトのカバーは、どう開くのか?」、「開けたらどんな顔つきになるのか?」、「これはリトラクタブルヘッドライトに入るのか?」などと熱い議論を展開したものでしたが、あれから40年近く経ち、この個体とのご縁で、ようやくその謎が解けたのでした。
当時の議論では、兄に負けた記憶がありますが、大人になって、「リトラクタブル」が、「retractable」で、「撤去」、「取り除く」と云った意味であることがわかり、モントリオールの個性的なヘッドライトも、広義には「リトラクタブルヘッドライト」で正解だったことがわかるようになりました(半分しか隠れてないのでAS型CR-XやZ31のようにセミリトラクタブルヘッドライトが正解なのでしょう)。
この日、会場はとても寒くて雨降りだったのですが、取材中はこの日ほとんど見られなかった日差しも差して、この35年越しの答え合わせを大自然が演出してくれました。
この個体は、当時の本に乗っていたのと同じオレンジ色で、見たとたんに童心に返り、1977年のひらかたパーク「スーパーカーショウ」の時のような興奮を味わうことが出来ました。
やっぱりスーパーカーは、日常をスーパーにしてくれることがあらためて解りました♪

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