ブリティッシュレイランド・ミニ・1100・スペシャル(British-Leyland Mini 1100 Special – 英国車 – 1979年)

輸入車-ローバー

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ブリティッシュレイランド・ミニ・1100・スペシャル
(British Leyland Mini 1100 Special – 英国車 -1979年)
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初代ミニは、40年あまり生産された超ロングセラーカーのひとつですが、その間、メーカーの名前は随分と色々と変移しました。
「ブリティッシュ・レイランド(British Leyland,通称:BL)」ブランドは、1968年からあった民間企業ですが、経営難から国営化され、1975年~1979年頃までの3~4年間だけ存在していたようです。
日本では、後半にホンダとの資本提携から、ホンダエンジン搭載のBL車が登場したこともあって、期間のわりには、比較的有名なブランドでもありました。
ここにご紹介します、ブリティッシュレイランド・ミニ1100スペシャルは、そのBL時代の数少ないミニで、1100ccのエンジンを搭載しており、しかも限定車と云う意味でも大変貴重な一台です。
今回は、この希少なミニを、後のオースチンローバーブランドのミニ1000と乗り比べもさせていただきました。


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BL製ミニ1100スペシャルの外観上の特徴は、ボンネットのLeyland社のエンブレムと、レザートップの屋根、そして控えめなオーバーフェンダーです。
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この個体には、BMCミニタイプのめっきグリルと、オーバーライダー付きめっきバンパー、めっきドアミラーが装着されていましたが、これはオーナーの手に渡った後にカスタマイズされたもので、オリジナルのミニ1100スペシャルは、グリルは枠のみがめっきで、フチのみがめっきのタイプだったようです。
また、バンパーもオーバーライダー付ではないめっきバンパーで、他にも樹脂製の黒いドアミラーとオーバーフェンダーが標準となっていたようです。
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初代ミニの屋根は、屋根が別体のパネルとして独立したような形をしていますから、この部分だけを色を変えるカスタマイズが様々存在するようで、白や黒、そしてユニオンジャックを描いているものもありますが、中でも、このBLミニ1100スペシャルの場合は豪華絢爛で、黒のレザートップ仕様になってます。
この個体は、足回りにも手が加えられているようで、車高が少し低くなっていました。
独特の綺麗なオレンジ色の車体色は、1100スペシャルのオリジナルカラーのようで、元々は、ブラックアウトされたレザートップ、そしてミラーやオーバーフェンダー、グリルなどとオレンジのコーディネイトになっていたようです。
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テールランプは70年代中後期モデルの標準である大きなレンズのものが標準です。
後バンパーは、BMCタイプのオーバーライダー付きに換装されています。
この個体のレザートップは、とてもいい状態に保たれていました。
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さらに、この個体には、70年代~80年代のミニで流行したANSAマフラーのセンター出しデュアルタイプが奢られていました。
筆者は今回、初めてANSAマフラーを体験しましたが、当時の広告にあった「職人の耳で創る」の言葉通り、控えめな音量ながら、野太くとても気持ちのいい音でした。
走りの方も、中低速重視にセットアップされたマフラーと、1100ccのトルクで、中速回転で十分に楽しめるように仕上がっていました。
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こちらは、アバルトのさそりが付いているので、イタリアのアウトビアンキあたりからの流用かもしれませんが、当時もののアルミホイールで、サイズは、165/70-R10でした。タイアは、ダンロップ・ルマンが組み合わされていました。
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小さなボンネットを開くと、1100ccのエンジンが鎮座しておりましたが、素人がぱっと見た目には998ccのものと見分けが付きませんでした。
しかし、乗ってみるととてもトルクがあり、低中速回転でのフラットトルク感は、998ccとはかなり違いました。
トップエンドの5,500rpmまで回す必要が無い感じで、3,500~4,000rpm付近で十分に遊べるエンジンです。
1,300ccほどフロントノーズの重さを感じないので、1,100ccと云う選択は、ある意味初代ミニのベストチョイスかもしれません。
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シリンダーブロックは、998ccが黄色なのに対して、1,100ccはブラックアウトされていました。これが、1,100ccと一見して判る違いと云う感じでしてした。
ラジエータは、新調されたばかりと云うことでしたが、水温は若干上がり気味と云うことで、やはり少し大きめのエンジンゆえの違いなのかと感じました。
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ドア内張りから内装は、黒で統一されていて、70年代らしい雰囲気が味わえる室内でした。
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このメーターパネルの独特の青色とデザインが、最も1970年代ミニを味わえる室内アイテムと思いました。
日本車のようにモダンなデザインですが、この時代のBLには、レイランド・ミニと呼ばれる、レトロな顔つきではない70年代顔のミニがラインナップされており、それと同じメーターデザインだったようです。
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やはり、70年代らしい雰囲気のBLミニのセンターコンソール部分。
黒内装に、スイッチ類やめっきの縁取りが時代を感じさせます。
ちなみに、トランスミッションは、この1,100ccも4速でした。


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シートには、カバーがかけられていましたが、黒とオレンジのコントラストが好いBLミニ1100の後席空間。
パイオニアの当時モノと思われるオーディオスピーカーが華を添えます。
このスピーカーは、ロンサムカーボーイシリーズよりも、少し前のモデルのようでしたから、新車当時に装着したものかもしれません。
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1989年型のオースチン・ローバー・ミニ・ピカデリー(998cc)とのツーショット。
ボンネットのエンブレムを確認しなければ、この2台が違うブランド名のクルマであることを見分けるのは難しいことでしょう。
ピカデリーの方は、12インチホイールで、ミニクーパー1.3iのオーバーフェンダーとホイールをにカスタムされていますから、フェンダーの張り出しが大きくなっています。
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【こぼれ話】
この個体は、滋賀県高島市朽木にある喫茶店「LOFT CAFE」さんの常連のお客様のBLミニ1100スペシャルを取材させていただきました。
ありがとうございます。
LOFT CAFEさんの店主が、ミニ・ピカデリーのオーナーであることから、ミニ繋がりでこのお店に来られるようになったというオーナーさんですが、嘗ては自作ガルウイングのクルマをお持ちだったと云う、かなりディープな方でした。
ミニを買ったらたまたまBLモノだったと云う事で、乗ってからBLモノの希少性を知ったのだそうです。
今は、とにかくよく走り、よく曲がる、じつに楽しいこのBLミニ1100スペシャルを、とても気に入っておられました。


【ロードインプレッション】
筆者自身、ナンバー付のブリティッシュレイランド製ミニを観たのは、これが初めてでした。
それ以外に観たのは、1979年頃の大阪外車ショウに展示されていたものでした。
丁度、ローバーとBLの2台のミニが揃ったところで、みんなで少しドライブに出かけました。
最初に、いきなりこのBL製1,100ccの左ハンドル車を運転させていただきました。
じつは、左ハンドルのミニを運転するのも初めてで、それに気づいたのは、最初のカーブの進入時でした。
ヒールアンドトゥが少し難しいペダルレイアウトなのですが、頭の中で「・・・で、シフトパターンはどうだったっけ?」と云うなんとも間抜けな具合でとりあえずコーナーに飛び込んでいったのでした。
オーバースピードではなかったものの、シフトダウンが間に合わずに進入したので、少しあわてそうになりましたが、さすがは走る曲がる停まるが得意な天下の初代ミニ!
なんの危なげも無く、少しのステアリングエントリーで、いとも簡単にノーズの向きを変えて入って行きました。
1,300ccで感じるようなフロントの重さは無く、1,000ccと変わりないノーズの動きを見せますが、アペックスからのアクセルオンで、このミニが1,100ccであることが感じられました。
1,000よりも明らかにパンチが強いエンジンで、僅かなスロットルオンで、しっかりと路面に駆動力を伝えながら、さらに向きを変えていく感覚は、ミニの中でも初めてのものでした。
少し、リヤが軽く感じたのは、前後の重量バランスゆえのことかもしれませんが、それでも実によく曲がり、安定したコーナリングが楽しめるミニでした。
そして、ちょっと調子に乗ってペースを上げたつもりが、タコメーターを見ると、まだ4,000rpm足らず。
上まで回さなくても十分にトルクで楽しめる1,100エンジンの特性を改めて実感したのでした。
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復路は、ローバーブランドのミニ・ピカデリー(エンジンは998ccで、12インチのセミレーシングタイアで武装済み)に乗り換えてみたところ、ここで改めて1,000ccとの違いに気がつくことになりました。
同じペースで走っても、1,000ccの方が明らかに常用回転数が高かったのです。
エンジンの気持ちのいいところを探していたら1,000ccの方は、5,000rpmあたりがおいしいところでした。
総排気量は約100ccの違いですが、トルクやパワーの出方は明らかに1,000ccが高速型で、1,100ccは中低速重視だというのが判りました。
どちらも足回りがライトチューンされていることもあって、自分の思いどおりに非常によく曲がる、見た方に曲がって行く楽しいクルマでした。
とにかく、どちらもそうですが、ハンドルの舵角が少なくて済みます。
ハンドルで曲がると云うより、重心移動で曲がる感じで、本来自動車はそのようにして曲がるものなのですが、その基本を改めてミニは教えてくれるクルマなのでした。
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LOFT CAFEさんは、朽木村と云う比良山系の山々に囲まれた、大自然の豊かなロケーションにあるお店ですが、初夏の香りと、BLミニの鮮やかなオレンジ色に誘われてか、フェンダー部の写真を撮ろうとしたときに、水色と黒のコントラストが実に美しく、珍しいルリボシカミキリが目の前にとまったのでした。
いづれにしても、なんとレアな組みあわせナリ。
取材協力:滋賀県高島市朽木 「LOFT CAFE」(ロフト・カフェ)
音楽好きと珍しい自動車やバイクが集まる、楽しいお店です。メシも美味い!
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