(Z31改型 – 1986年)

日本が好景気だった1986年、世界のスペシャル・コーチビルダーカーが、多数日本に入ってきましたが、日本製スペシャル・コーチビルダーも少数ですが存在しました。
スタイリングジャパンがそのひとつで、Z31型フェアレディZをベースにした、「武蔵(Musashi)」は、フラットノーズや、ガルウイングドア、そして、特別装備で固められた内装など、本格的なスペシャルカーでした。
ここでは、武蔵の他にも、スタイリングジャパン製のスペシャルカーを、何点かご紹介します。

「武蔵」と名づけられた、Z31型フェアレディベースのスペシャルカー。
セミリトラクタブルのヘッドライトを、フラットノーズ化して、フルリトラクタブル風に改造してあるが、31型Zのヘッドライトは、フルリトラクタブルのような角度には開かないので、前の埋めてある部分が連動して下がるようになっているそうです。スムージングしていないのには、そういう理由があったのでした。
さらに、ドアは、正ガルウイング式で、メルセデス300SLのように開きますが、ドアのダンパーは、なんと!ランボルギーニの純正を使っていると云う事でした。
ナンバープレートの位置も下げられ、バンパーもナンバー取り付け部がフラット化されており(Zの輸出用パーツの可能性もある)、ホイールは、BBSのエアロディスク型が奢られている。
ベースグレードは、3,000ccの300ZXターボと思われる。

室内も、余すところ無くスペシャルとなっている。
白地に赤のパイピングが施された、特別仕様のレカロシート、イタルボランチ製と思われるステアリング、ビデオデッキや、TVモニターが埋め込まれたインストゥルメントパネルや、内装は、すべて白で統一されている。
1986年当時は、液晶モニターではなく、ブラウン管の時代だったので、TVはブラウン管タイプである。
この武蔵は、販売目的に創られたクルマだが、最終的には量産はされず、世界に一台のワンオフとなりました。
スタイリングジャパン・将軍
(STYLING-JAPAN SHOGUN – VG20改型 – 1986年)

こちらは、同時期に登場したVG20型トヨタ・センチュリーベースの1mストレッチリムジン、「将軍(Shogun)」です。
こちらも、複数台創られたかどうかは、定かではありませんが、当時は、一般紙の新聞にも取り上げられるなど、自動車メーカー以外の日本が創ったスペシャル・リムジンは、話題になっていました。
当時、まだまだ運輸省がこのような質の高いコーチビルダーカーに対しても、全く理解が無い時代でしたので、認定を受けるまでの課程は並大抵のことではなかったようです。

スタイリングジャパンは、上記の他に、500SEC仕様のマスクに改造したメルセデスなどのモデファイも行っていました。
この930型ベースのポルシェ・911も、軽いモデファイですが、スタイリングジャパンのシリーズのひとつと思われます。

こちらは、フェラーリ365GT4-BBベースと思われるモデファイ仕様。
フロントスポイラーだけでなく、リヤフェンダーも大幅に拡大されています。
この時代の12気筒スーパーカーは、エンジンを掛けるのも儀式があったようで、走り出しても渋滞でカブらないように気を使ったり、スロットル、クラッチ、ハンドル全てが現代では想像もつないぐらいに重かったりと、お金だけでなく、腕もなければ乗れないのがスーパーカーだったと、当時を知る方から伺いました。


ワゴン風カスタムのユーノス・ロードスター(NA型)
スタイリングが製作した、NA型ロードスターのユニークなカスタムカー。
当時の会社の人が、見つけてきてくださったのですが、これもスタイリング・ジャパンの作品でした。
ワゴン風と云うか、BMW Z3風と云うか、とてもユニークな屋根と、リヤタイヤを覆うボディ形状が特徴的です。
(2012.10 追加:小さい画像しかありませんでした。)

【こぼれ話】
ロードスター以外のスタイリングジャパンが製作したスペシャルモデルたちは、1980年代、90年代に、スタイリングジャパンのお店を訪ずれて、撮影させていただきました(いつも快く撮影させてくださる、単なるマニアにも、とてもやさしい方々でした)。
その後、武蔵は、幾つかのオーナーを経て、一時期は、あるWebサイトを運営しておられる方の下に在ったようですが、その時には、内装がかなりモデファイされていました。
数年後、再びスタイリングジャパン(モーターライズ株式会社)を訪れて、お話を伺ったところ、車両の製作は、関西のある凄腕の自動車屋さんの職人の手で行ったと云う事です。
結局のところ、武蔵は、世界に1台のみ存在し、正規に量産で売れることは無かったようですが、日本にもこのような、ケーニッヒやスバッロ、ゲンバラに匹敵する、スペシャル・コーチビルダーメーカーが1980年代から存在していることを証明しています。
このクルマを製作された「Styling Japan」(現:モーターライズ)さんは、拠点を移して、今もスペシャルコーチビルドを行ってらっしゃいます。
この武蔵や将軍、そしてこのサイトに掲載しているパンサー・ドービル、マトラ・シムカ・バゲーラなど、何度も10代の自動車オタクのカメラ小僧だったわたしに、親切にしてくださった想い出深いお店です。
今も変わらず、高級車のカスタムや世界のかなり珍しい自動車の販売をしてらっしゃいます。
当時お世話になった感謝を込めて、下記にリンクを掲載させていただきました。
モーターライズ株式会社
https://styling–j.com/
(リンクをクリックすると、別画面で開きます。)
2022年からYoutubeチャンネルもされておられるようですのでここに紹介させていただきます。
Motorizeチャンネル【旧車・名車】[モーターライズ ch]
