
ガレージリボン・ミニミニ・コンバーチブル
(形式不明-1996年)
ガレージリボンと云うメーカーは、ご存知だろうか。
1990年代に誕生した、日本の自動車メーカーである。
※ガレージリボンWebサイト
ミニミニを32台生産したところから始まり、公道仕様のF3000マシンや、SW20型MR2ベースのテスタロッサレプリカなど、世にも不思議な乗用車を生み出す自動車メーカーなのである。

32台の初代ミニミニを生産した後、クローズドボディのミニミニ2へ世代交代した後、登場したのがこのコンバーチブルである。
フロント部分のエクステリアを見るだけだと、ごく普通の英国車ミニである。
しかし、横に回りこむと、上記の写真の通り、チョロQのような寸づまりボディのかわいらしいクルマであることがわかる。
しかも、これは日本国内で型式登録された、新車の日本車なのである。

バンパーレスの後姿。
英国製ミニをベースに、ボディを縮めた手造りの自動車で、幌もハンドメイドで製作されている。
ボディカラーはもちろん、ベース車によって、右、左ハンドルが選べ、ミッションも4速MTと4速AT、幌の色もベージュと黒、白の中から選べたそうだ。
ベースがミニなので、あとからアフターパーツでさらなるカスタマイズも可能なはずだ。

この角度から見ると、まるでデフォルメしたイラストのようだ。
ちなみに、初代はドアの寸法がもっと小さかったはず。
それでも高速走行可能で、全長は、2,370mmと、MCCスマート(初期で2,560mm)よりもさらに短い。
車重は、550kgだそうだ。

手動式の幌。
ハンドメイドっぽさがよく出ている。各部の仕上げは、さすが自動車メーカーだけあってしっかりしている印象だった。
少量生産とはいえ、ベースがミニだから、エンジンや外装などのアフターパーツには、あまり困らないだろう。

サッシュレス(窓の淵が無い)のドア。前の部分だけが残されている。
内張りもハンドメイドで作り直されているようだ。
話はそれるが、これを創って自動車メーカーまでに昇格させた、ガレージリボンの石川さんと云う方の情熱には非常に頭が下がる。
昭和の時代ならともかく、平成の世にもこのような創り手がまだ存在することは、とても良い事だと思う。

ドアを開けて室内を見てみると、このようになっている。
シートは、ベンチタイプだが、よく見るとこれは、ミニのリヤシートがそのままフロントシートになっている。
ボディ後ろをくっつけてあるから、リヤシートそのままだと、収まりがいいのかもしれない。
ミニは、元々小柄な車体の割りに余計な装備が無いために、中は広く感じる。ベンチシートだと一層ゆったりしてそうだ。

この個体はオートマチック車のようだ。内張りも綺麗に施されている。
フロントホイールハウスとドアサッシュのあたりに黒い棒が、斜めに着いているが、これはおそらくボディ補強と思われる。
開口部の淵ゴムや、シートベルトなども上手く装着されている。
この頃のミニなら、エアコンも付けられるし、元々室内がコンパクトだから夏場でも快適に過ごせるだろう。

インストゥルメントパネルなどは、ミニをそのまま使用している。
後からオーナーの好みで、モーリス・クーパータイプのインパネにカスタマイズすることもできるだろう。
サイドブレーキレバーの場所確保には、苦労したのではなかろうか。
例によって、レーシングカートのようなステアリングの角度もそのままだ。
驚異的に短いホイルベースは、日本の古い住宅街などの狭い路地では大活躍することだろう。
パワーウエイトレシオも高いことだし、案外ジムカーナなども得意かもしれない。

【こぼれ話】
ところで、この個体には、もうひとつ仕掛けがある。
なんと!このメルセデスベースのキャンピングカー「Challenger」に、このミニミニを搭載できると云うのである。
取材をさせて頂いたのは、キャンピングカーを専門に扱うお店だった。
店先に展示してあるのをみつけ、取材を申し込んだのだが、「じつは、このミニミニを買うと、もれなくベンツのキャンピングカーが付いてきます。」と云うので、聴いてみたらこういうことだった。

Challengerのフロントガラスには、ミニミニ・コンバーチブルを搭載する様子が貼られていた。
なるほど、リヤに格納庫があり、そこにミニミニが収まると云うわけだ。
ちなみに、この格納庫はミニミニに合わせて設計されているらしく、ミニミニ以下のサイズでなければ載せられない。
MCCスマートは、試してみたが載らなかったそうだ。
メルセデスのキャンパーで、高速道路に乗ってリゾート地へ、そして現地での移動はコンパクトなミニミニで。
と、なんとも贅沢な休日を過ごせそうだ。
取材協力:ユーロキャラバン・サロン(http://euro-caravan.jp/)
※尚、この取材は数年前ですので、この個体に関するお問い合わせはご遠慮くださいませ。



